お知らせ News
胃がんの最大リスクはピロリ菌 & 除菌後の定期検査も大事!
胃の中は胃酸があり、塩酸と同じくらい強い酸です。これだけ強酸なので、そもそも菌が入ってきたとしても殺菌されるはずです。
それなのに、なぜピロリ菌は胃の中に住むことができるのでしょうか?
実はピロリ菌は、アンモニアをつくり出す酵素をもっているからなのです。アンモニアはアルカリ性です。ピロリ菌は自身の周囲の胃酸を中和するため、胃の中でも生きていけるのです。
ピロリ菌に感染すると、胃粘膜に慢性的に炎症が起こります。この状態は「慢性胃炎」と言われています。慢性胃炎が長期的に続くと胃の粘膜がダメージを受け「萎縮性胃炎」を引き起こし、胃がんリスクが高まります。
では、ピロリ菌を除菌することで、萎縮性胃炎は治る、あるいは胃の粘膜が完全に元に戻るのでしょうか?
答えは「No」です。長い間ダメージを受けた胃粘膜には、がんのリスクが残ります。ピロリ菌の除菌により、胃がんが発生するリスクは低くなるものの、胃がんリスクは決してゼロにはなりません。
帯広に戻り胃カメラ検査をしていて感じるのが「除菌してから胃カメラ検査をしていない」という方が多いことです。ピロリ菌除後にも胃がんが起こり得ることを説明すると、皆さん「知らなかった」と驚きます。
実際に除菌後の胃がんが、当クリニックで見つかっています。
そのため、除菌後も定期的に胃カメラ検査を受けることが大事です。
特に除菌後に発生する早期の胃がんは、非常に見つけにくいという特徴があります。内視鏡検査に習熟した医師のもとで検査を受けることをお勧めします。